2000.05.17

白井武志よりの返信2●またまた長文のお返事で失礼します

八谷和彦様

白井です。
早速のお返事ありがとうございます。
お忙しいお仕事の時間をとらせてしまったことお詫びいたします。
なんの推敲もできずに送ってしまったため、今日読み返してあまりに読みにくく、
日本語として変なところが多い文章に赤面してしまいました。
八谷さんの簡潔で明快な文章とはえらい違いで、お恥ずかしいかぎりです。

正直、八谷さんが「こっち側」の人であるという直感を証明していただいた気が
してほっとしています・・・・してやられたかな?という皮肉な見方も捨てられ
ないんですけどね。
やな言い方ですけど、僕自身海洋堂というマニアから生まれマニアのために製品
を提供する側にいて、それでもマニアとの間には間違いなく溝ができて「あちら
側」の論理で動いている・・・動かざるを得ないことが多いこともあって、ずい
ぶんひねたものの見方をするようになってしまいました。

村上隆さんのお仕事をお手伝いしている関係上(ご存じですよね?)、これまで
なんにも知らなかった現代アーティストの立ち位置を(わからないながらも)目
撃するようになって、アーティストとして作品を提供することが個人の裁量だけ
ではどうにもならない部分があるのも、なんとなく感じています。
特にポストペットのように巨大なプロジェクトになると、もはや一端動きはじめ
た方向は変えることができないということも。
にもかかわらず八谷さんのように自分がきちんと矢面にたち、メールで個人レベ
ルの人間をフォローするエネルギーと気持ちには本当に頭がさがります。

いま、補足メールが届きました。

>別に脅しているわけじゃないです。ですけど、
>そういうのは誰にとっても一番いやなケースだと思います。
>ユーザーがユーザーのことをメーカーを使って批判するという。

そう、このことが判ってないユーザーが多くて、そのパンドラの匣を道具のよう
に気軽に開いてしまうことが多いのですね。
「おいおい、そりゃあお前のことだろ」と言われそうですが・・・
僕たちの仕事でいうと、ワンダーフェスティバル(ガレージキットの即売会)に
おける「当日版権」問題にいろいろと。
まあ、このことについて、話すと長くなりすぎるのでこのへんで。

今回のことでぞろよしさん自身に迷惑かかっちゃうかな(僕のために優先して
ツール作っ てくれた面が強かったので)、と心配したのですが、彼はもともと非常にクール
に対応されてまして、解析を行うときの心得としてこんなこと言ってました。
「アングラ解析やってきた立場からちょっとだけ一言:
製作者側とメールの交換をした時点で負け、でしょう。アングラサイトの立場と
しては、その機械であそばしてもらっているので、
・メーカの方針は非難しない
・だけど情報はどんどん公開する
というのが正解だと思います。
こうするとメーカ側としても「見て見ぬふり」しかできないですしね。」

彼自身、おやつリストの圧縮(彼によると暗号ではなく圧縮データだということ
らしい)は、現在公開されているおやつデータが少なすぎるので完璧にできたわ
けではないことを自覚しているようです。
もっとデータが増えれば完全にできるね、と笑ってましたので、今回のことでそ
れほど不快になったとかいうわけではないとほっとしています。
(白井註・その後ぞろよし氏は少ないデータをさらに解析しほぼ問題ない状態
でツールを公開されています)

2001のフィギュアの件ですが・・・
実はその1年前、最初のポスペが出た時点で、商品化企画を出したんですよ。
もち ろん僕が「これはいける」と思って提案したんです。「ポスペドールハウス」み
たいな感じの商品とか。 ソニー・クリエイティブさんとつきあいがあったんで、
話はいったんですがまだ権利関係がはっきりしてないから・・・
と待たされている間にうやむやになっちゃって。
1年後2001でフィギュア付になり、様々なグッズが並びはじめて、
ちょっ とくやしかったですよ〜・・・ってその恨みで、批判的になったなんてことはな
いですからね(^_^;)。これはちょっとした余談です。

僕の誤解している部分も含め、今のポスペをめぐる状況はもう変えられないもの
なのでしょう。成長しすぎた計画は、もはやその進む方向を変えられない。
そのジレンマは本当によく判っているつもりです。もちろんポスペのような大プ
ロジェクトと僕程度の理解には、想像以上の差があるのでしょうが。
それでも、八谷さんが開き直ったり、あきらめておられないこと自体に、ほっと
するものを感じています。こういうことって、そのことを「知る」だけでも救わ
れることも多いですよね。根本的解決ではないにしても。
だから、このやりとりを全文WEB掲載してもいいという八谷さんのお言葉どお
り、そうすることに大きな意味があるような気もします・・・・。
逆にぼくが「あちら側」にたぶらかされて、スポークスマンになってしまったと
とられる危険性もあるわけですが(つくづく、ひねてますね(^_^;))。

それらを踏まえた上で、例のページは、やはり公開しようと考えています。

このまま消してしまえば、俯瞰してみたとき、「上からの圧力でサイトが消され
た」という形だけ残ってしまう気がするので。
それは八谷さんの本意ではないと思います。
八谷さんを心配させない内容に変更したいと考えています。

今回は簡単にすませようと思ったのですが、結局長文になってしまいました。
おつきあいありがとうございます

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ゆぴ1号/白井武志